ヴァルラアーム修道院

奇岩群の中でも最も険しい岩上の標高551Mの高い場所に、ヴァルラアーム修道院はそびえ立つ。

修道院の命名は、14世紀の半ばにこの奇岩上で、最初に隠遁生活を始めた克肖者陰修士ヴァルラアーム、後のメテオラの聖人アサナシオスにちなんでいる。

修道院の創建者及び共同体の創設者はヨアニナ地方の貴族アプサラス家出身のセオファニス(1544年没)とネクタリオス(1550年没)の二人の兄弟である。1517年-1518年に、キリストの教えを乞う聖人達は、この近付き難きヴァルラアームの岩の上に彼らの修行の場を築いた。聖人達は多くの困難な作業をこなし、克肖者ヴェネディクトと克肖者パフォミオの助けを借りて、過去に隠遁士ヴァルアラームに庵を捧げたトゥリオン・イエラルホンの礼拝堂の最初の改修を試みた。

1544年に壮大かつ麗しいアギオオリティコス建築形式のアギオ・バンドンの聖堂の建設が完了した。木製彫刻の内陣障壁は、繊細な金箔細工が施された美しい絵画で飾られている。

内陣と主教会の素晴らしい壁画は、1548年に、スィーヴァ地方出身の「西北流派」の代表者である宗教画家フランゴ・カペラノにより施され、内部は1566年に同じくスィーヴァ出身の司祭宗教画家のヨルギオスとフランゴのコンダリス兄弟に託された。

1627年、修道院典院キリルとその兄弟のセルギウの下、聖トゥリオン・イエラルホンの古い礼拝堂は修復され、その10年後1637年にスタゴン地方出身の著名な宗教画家司祭イオアニの象徴的な壁画で飾られた。

修道院は残り、近年修復された。巨岩の北東部の古い塔にはヴリゾニと呼ばれる木製のエレベーターが設置され、1535年~1536年に建てられたものである。

集合建築の北側にはヴァゲナリオと呼ばれる樽置場があり、13000Lの許容量を持つ巨大なオーク材の樽が置かれている。

巨岩上の南東部には建築学上の価値を有する修道院の旧病院-養老院が残されている。16世紀末期に隣に建てられた廉施者聖人アナルギロスの小教会は、修道士達の治療等に使用された場所である。

その他、南東部にある新築の石造りの「スケヴォフラキオ」と呼ばれる修道院聖物納室には前後期ヴィザンティン時代の様々な貴重な聖遺物が保管されていて、訪問者の必見に値する。

ヴァルラアーム修道院は16世紀から17世紀の半世紀に渡って、修道士アルセニオ(1583年〜1620年)の下に重要な金刺繍技術工場として運営された。1609年にヴァルアラームの初代刺繍指導者ロマヌゥによって作られた金刺繍の「エピタフィオ」と呼ばれる墓碑銘は宝物館に展示されている逸品である。また、ヴァルラアーム修道院は書誌研究室としても運営され、重要な教会の本を編集しただけでなく、教父によって書かれた修道士達への神学的修練のための本の複写作業も行っていた。

現在、修道院の写本は298冊に及ぶ。これらの多くは、独特な多色彩で飾られ、印象的な活字体やタイトルで描かれ、現在は修道院聖物納室となっている「スケヴォフラキオ」を飾っている。

 夏季の時間: 9:00-16:00 毎金曜日閉館  冬季の時間: 9:00-15:00 毎木曜日と金曜日閉館

 +30 24320-22277